剣道

 中学、高校、と、息子は、剣道部に所属しました。なぜ、剣道なのか、は未だに、私には分かりませんが、家内の話では、小学生の頃から、剣道をやりたがっていたそうです。中高、六年間、一生懸命、息子なりに、剣道に全力を尽くしていました。学校での練習や、試合を見たことはありませんが、自宅でも、筋トレやランニング、を繰り返していました。そんな、息子の姿を、私は、頼もしく見ていました。健全な体に、健全な魂が宿る。体を鍛えなければならないときは、体を鍛える。残念ながら、中学も、高校も、剣道部は弱小だったので、息子も二段どまりだったし、大会でも、さしたる成果は残せませんでした。しかし、大事なことは、全力を尽くすことだ。息子は、中学、高校で、剣道に全力を尽くした。それで良い、それが良い。
 私は、教育熱心な親では、まるで無かったので、繰り返しますが、息子が、どんな学業成績だったか、知りません。ただ、小学校も、中学校も、卒業式が、丁度、水曜の定休日に重なったので、珍しく、卒業式に出席しました。息子は、小学校の卒業式でも、中学校の卒業式でも、壇上で、泣いていました。私は、息子が、止めようもなく、涙を流している姿を見て、息子が、送った、小学校の六年間、中学校の三年間、が実り多い九年間であったことを、知りました。悔いの無い、小学校生活、中学校生活を送れたことは、先生、生徒、職員、父兄の皆様方のお蔭だ、と感謝の気持ちで一杯になった時、私の頬を涙がつたいました。