第五十一話
 「誇りを持って商売する」ためには「誇りを持てる商売をする」ことが肝要です。

昨日より今日が、今日より明日が
 商売が「生産価値」を「使用価値」に「価値実現」する要(かなめ)であるなら、商売人は「生産価値」が「使用価値」に「価値実現」するお手伝いをしなければなりません。唯にモノを売ってカネに変える金儲けではないのです。さらに商売人は「生産価値」を「使用価値」に「価値実現」するお手伝いをすることによって、「生産価値」「使用価値」それぞれの「価値」をより高めることに心を尽くさねばなりません。モノを売ってカネに変えて金儲けができたら事足れりでは駄目なのです。
 商売人が「生産価値」「使用価値」それぞれの「価値」をより高めることに心を尽くさねばならないのは、それが商売人に課せられた最大の責務であるのは、「生産価値」「使用価値」それぞれの「価値」をより高めることが、社会を、人々の暮らしを豊かにすることだからです。社会が、人々の暮らしがより豊かになることで人類は進歩する。昨日より今日が、今日より明日がより良くなるのです。人類の進歩に寄与すること、そのことがこの世に人として生まれたものの何よりの生きがいなのです。