第六話 |
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横山喜八郎さんに弊店のオリジナル商品としてバイオリンやピアノ、ハープやサキソフォンなどの洋楽器をモチーフにした染帯を制作して頂くことになった経緯(いきさつ)を当時、京友禅の老舗問屋「千總」の制作部にお勤めだった名和野要さんにお話しすると「着物は私が創りましょう」とおっしゃってくださって型友禅染の小紋を制作して頂くことになりました。バイオリンやピアノなど洋楽器をモチーフにしたオリジナル商品を制作することになり、私は新たにこの世に生まれてくるであろう作品に「丸太やオリジナルコレクション コンサート」という名前を冠することを決めました。着物が好き音楽が好きな私たち夫婦の想いを共有してくださる工芸家の方たちとの共作で生まれた作品、その想いに共感してくださるお客様との出会い、それはまさに演奏家と観客が音楽を通して心と心が触れ合うコンサートではないか。 1994年2月、この世に生まれ出でたばかりの、かつてこの世に無かった洋楽器をモチーフにした着物と帯、「丸太や オリジナルコレクション コンサート」の発表会を弊店で開催いたしました。合わせて「ユーハイム本店」3階ホールで「きもので集うワインコンサート ちょっと素敵にモーツァルト」を開催いたしました。なぜ洋楽器をモチーフにした着物や帯を制作したのか、それは私たち夫婦が、着物が好き音楽が好きだから、その想いをお客様にお伝えするには、私たち夫婦と音楽仲間との演奏を聴いて頂くことが良いのではないかと考えたからでした。発表会には横山喜八郎がお越しくださって、パーティーではご挨拶を頂戴し、芸術や文化について含蓄のあるお話をご披露頂きました。 「丸太やオリジナルコレクション コンサート」の第一回目の発表は好評でした。これまで誰も見たことのない洋楽器がデザインされた着物や帯を、お客様は喜んでお求めくださったのです。好評に気を強くした私は、早速第二回目の発表を企画し、横山喜八郎さん、名和野要さんにあらためて新作の制作をお願いし、さらにローケツ染めの長田けい子さんにブラウスやスカーフを制作して頂きました。1994年12月に開催した「丸太やオリジナルコレクション コンサート」の第二回目の発表でも「ユーハイム本店」3階ホールで「きもので集うワインコンサート ちょっと華やかにピアノトリオ」を開催いたしました。当時、兵庫県議会議長を務めておられた神戸一全さんが、ご家族でパーティーにご参加いただき、「丸太やさんは、奥さん、社長夫妻、谷口さん夫妻の五人が、いつも見事な五重奏を奏でておられます」とご挨拶くださって感激いたしました。 |