タテ社会
 10年間、継続された政府の経済政策によって、大企業、富裕層には多大な恩恵があった一方、「庶民の暮らし」は苦しくなるばかりでした。その結果、日本社会の格差は拡大し続けているのです。では、なぜ格差は拡大し続けるのでしょう。それは政府が格差の拡大を抑止しようとしなかった、そして国民の多くも、そのことを容認してきたからです。なぜそうなのか。それは国民の多くが、「上を向いて下を見ない」からです。
 そもそも日本社会は、その成り立ちから「タテ社会」なのです。「タテ社会」では、すべての人間関係は上下関係で、「タテ社会」を生き抜くためには絶えず上位者の顔色を窺い、逆らわない、背かない、「寄らば大樹の陰」「長いものに巻かれろ」大勢順応がカシコイ生き方なのです。
 他方、強者に従順な「タテ社会」は弱者には冷淡なのです。今、日本の社会の至る所でハラスメントが横行し大きな社会問題になっているのですが、パワハラ、セクハラ、カスハラ、アカハラ等々、ありとあらゆるハラスメントは、上位者による下位者への弱いものイジメなのです。如何に日本が「タテ社会」であるかを証(あか)しているのです。