貧困問題 |
私たち神戸市民にとって、1995年1月17日に勃発した阪神淡路大震災の惨事は、今もなお生々しく記憶されているのですが、震災後、神戸商工会議所が被災で商売の出来なくなった小売業者を支援しようと、東京都新宿区の東京都庁に隣接する新宿NSビル地下ホールで「神戸復興バザール」を開催され、弊店も参加いたしました。期待と不安を胸に新宿駅に降り立ち、宿泊先の都庁近くのホテルに向かって歩き出した途端、その歩道に夥(おびただ)しいホームレスの人たちが、段ボールを敷いて路上に座り込んでおられたのです。早稲田大学に在校中、足を運んだ新宿駅で、かつて見たことのない衝撃の光景でした。 直近、実施された東京都知事選挙で、野党の候補者が、ホームレスの人たちに炊き出しをする現地に赴いて、東京都の貧困問題を選挙の争点として取り組むと言及されたのですが、選挙期間中、現職の候補者は公開討論を拒否し、公務を理由に街頭での選挙活動もほとんどされず、貧困問題に言及されたとは寡聞にして聞き及んでいません。貧困問題は、現在、日本が抱える大きな課題であると考える私には、東京都知事選挙で貧困対策が論じられなかったことは、如何に、為政者が貧困問題を等閑視しているかを如実に示していると思えるのです。 |