選挙
 2024年に実施された兵庫県知事選挙の結果は、私にとって衝撃でした。全く想定外だった。それまで私が、特段意識することのなかった常識から懸け離れた結果でした。巷間、「SNS」の影響が予測を遥かに上回る結果だったと指摘され、「オールドメディアの敗北」なる言辞が実(まこと)しやかに喧伝されました。はたして本当にそうなのか、はなはだ疑問です。
 「オールドメディア」によって真実が隠蔽され、「SNS」上にこそ真実があると県民が判断した、とされたのですが、私は違う、と考えます。「オールドメディアの敗北」であるなら、それは常識を踏みにじる「SNS」の奇襲攻撃によって、それまで「オールドメディア」によって形成されてきた常識が無残にも打ち砕かれたからだった。誹謗中傷が「SNS」上に溢れかえり、無理無体に常識が口撃(こうげき)された。
 過去に「丸太や」は、NHK、関西テレビ、テレビ朝日、テレビ大阪、サンテレビの取材を受けましたが、どのテレビ局の取材も実に懇切丁寧で、流石(さすが)にプロの流儀だと感心しました。何より取材先の弊店の商売、商品について何度もカメラを向けて撮影されていました。とりわけサンテレビの「こうべライフ」という番組の取材は、フル30分の番組なので、5日間、連日、朝10時から夕方5時までの取材で、撮影された映像は10時間に及んだそうです。新聞社の取材も、私が「元町ミュージックウィーク」の事務局長、「元町130年」の企画委員長、元町1番街の事業部長を担当していた間、朝日、読売、毎日、産経、神戸の各新聞社に度々取材を受けましたが、記者の方たちは皆さん高い見識を持って実に熱心でした。
 私の過去の経験に依拠すれば、「オールドメディア」と蔑称されたテレビ局、新聞社の情報は、現場での事実に基づいた取材の積み重ねの上で発せられたリアル(実体)であり、方やSNSで意図的に拡散された情報はバーチャル(虚構)なのです。リアル(実体)とバーチャル(虚構)との倒錯にこそ、問題の本質があるのです。