「いい呉服屋になる」、それは夢だ。「いい呉服屋になる」、という夢を、息子が、抱いたとしたら、呉服屋である私は、うれしい。私も、「いい呉服屋になる」、という夢を抱き続けてきました。しかし、現実は、厳しい。夢は、はかない夢、見果てぬ夢で終わるかもしれない。しかし、夢を見失わないで、いつまでも、夢を追い続けたら、いつか、きっと、夢は叶う、と私は信じています。娘と息子が、「もうイッペン、もうイッペン」、と何度も、何度も、繰り返し見ていた、「ピノキオ」で、ウォルト・ディズニーが、私たちに、語りかけたのは、「いつか夢はかなう」、だった。人間になりたい、という夢を持ち続けて、その願いを、星に祈り続けたから、ピノキオは、人間に生まれ変わった。
 ピノキオは、人間になりたい、という夢を、いつか持つようになりました。それは、人間が、素晴しいから。素晴しい人間になりたい、とピノキオは願った。しかし、人間に、生まれ変わるために、星の女神は、こう語ります。「夢を見失わないで、夢を持ち続けなさい。でも、ウソをついてはイケマセンよ」。「いい呉服屋になる」、という夢を実現するために、何が、一番、大切か。「ウソをつかないこと」。私も、そう思います。人間にとって、人間であることに於いて、「ウソをつかないこと」、は一番大切なことだから。ウソをつかないで、夢を持ち続けたら、きっと、いつか、「いい呉服屋になる」ことが出来る、と私は、信じています。