第三十八話
 「街の○○屋」は、意外にしぶとい。したたかに生き残っているのです。

人間力
 目下、日本は競争社会だそうで、生き残りのために合併、合併で、銀行も、スーパーも、コンビニも、ドラックも、家電も、前はなんだっけ。大企業ですら吸収合併される時代ですから、中小企業は勿論、まして零細小売業など、生き残る余地はあるのだろうか。大資本が小資本をドンドン呑込んで、「小」が消えて無くなって、「大」ばかりの世の中って、はたしてどうなのか。色にたとえるなら、似たような色ばかりなら、色気がなくなる。味気のない世の中って、つまらなくないですか。
 社会が活気を保つためには、多様性が確保されねばならない、と私は考えます。小売業も、大店舗から小店舗まで、種々様々あってこそ、消費者の多様なニーズに応えられる。「街の○○屋」が元気に商売を続けることは、当の店の為だけではなく、世の為、人の為なのです。しかし現実、「街の○○屋」が元気に商売を続けることは、至難です。それでも、世の為、人の為、何より自分の為に頑張らねばなりません。
 では、どうやったら元気に商売が出来るのか。「商品力」「店舗力」「接客力」「情報発信力」ではないか。「商品力」「店舗力」「接客力」「情報発信力」とは、読んで字の如し。「街の○○屋」が生き残るためには、「商品力」「店舗力」「接客力」「情報発信力」を磨くことが不可欠なのです。しかし一番肝心なのは、実は「街の○○屋」の「人間力」だと思うのです。