第四十八話
 「商鑑(あきないかがみ)」のあとがきです

商売とは何か
 2012年7月から、神戸元町商店街が発行する「こうべ元町新聞」に「商鑑(あきないかがみ)」を書き始めしたが、2015年6月号の掲載をもって終了しました。4年間、48回連載したことになります。私の中では、まだ書き終わっていない、まだまだ書きたいことがあるのですが、これ以上書き進めることは、今の私には無理だと判断したのです。いつか、この先を書き続けたいと思いますが、「こうべ元町新聞」への「商鑑(あきないかがみ)」の掲載は、一応、終了しました。
 私が、「商鑑(あきないかがみ)」を書き始めたのは、「商売とは何か」ということを、私自身、明確にしたかったのです。なぜなら、「商売とは何か」を理解しないで、真っ当な商売は出来ない、と考えたからです。当初、私は、「商売とは何か」を歴史的に考える意図をもって「商鑑(あきないかがみ)」を書き始めました。しかし、その試みは、本来、歴史の専門家の仕事であり、一介の呉服屋の成しうる作業ではないと気付かされました。しかし、「商鑑(あきないかがみ)」を書き続けることの中で、「商売とは何か」と言うことは、私なりに随分理解を深めることが出来たと自負します。さしあたって、「商鑑(あきないかがみ)」を終了するにあたって、私が理解した「商売とは何か」について書き残しておきます。