第八話
ピンチをチャンスに

 「丸太やオリジナルコレクション コンサート」の発表を全国各地で展開していた丁度その頃、インターネットという、かつてない情報発信の手段が生まれていました。元町商店街もホームページを制作することになり、制作会社の「ケイ・アイ・シー」の佐藤勝昭さんが弊店に取材に来られ「丸太やオリジナルコレクション コンサート」をご覧になられて「是非、お店独自のホームページを作ってください」と熱心に勧めてくださったのです。インターネットの「イ」の字も知らなかったのですが、佐藤勝昭さんの熱意に動かされて「丸太やホームページ」を制作して頂き、パソコンをよちよち歩きで使いながらインターネットを活用するようになりました。バブル経済の崩壊から阪神淡路大震災、さらに金融不安、リーマンショック、東日本大震災、コロナ感染症禍など、次から次に危機が押し寄せ「失われた30年」と言われる日本経済の沈滞が続く中、今日まで「丸太や」が元気に商売を続けられたのは、いち早くインターネットの活用を始めていたからではないか。とりわけ猖獗を極めたコロナ感染症禍を乗り越えることが出来たのは。
 今、思い返すと、バブル経済崩壊の大打撃から如何に立ち直るかを考えに考えて、商売の原点は「人と人との出会い、心と心の通い合い」だと気付かされて「ギャラリー響」を開設したことがすべての始まりでした。「ギャラリー響」で頂いた出会いから生まれた「丸太やオリジナルコレクション コンサート」があったればこそ、幾多の困難を乗り越えることが出来たのです。「ピンチはチャンス」。これからも今まで以上に厳しい状況が続くでしょうが、「ピンチはチャンス」と自らを奮い立たせて商売に励む所存です。