第三十三話
 経済学の定説では「不況・不景気とは需要不足・供給過剰」だそうです。バブル経済崩壊後の不況・不景気は、需要不足・供給過剰以外の何ものでもありません。

需要と供給
 弊店のような個人商店に限らず、規模の大小を問わず、利益が出なくなると、営業は続けられません。商売にとって利益が出るか出ないかは、商売人にとって生きるか死ぬかの死活問題なのです。利益が出るか出ないかは「売れる」か「売れない」かです。では、なぜ「売れる」のか、なぜ「売れない」のか。「売れる」のは需要があって供給できたからです。「売れない」のは供給したくても需要がないからです。商売は結局、需要と供給の問題に行きつくように思えます。要するに、需要と供給のマッチング。需要と供給を、どう上手く組みあわせるのかが重要なのです。
 長く商売を続けてくると、必ず浮沈がある。「売れる」ときもあれば「売れない」ときもある。なぜ浮沈があるのか。需要が変動するからです。なぜ変動するのか。時代が変化するからです。なぜ変化するのか。日本人の生き方、考え方が変わるからです。なぜ変わるのか。ここが最大の問題で、なぜ変わるのか、どう変わるのか、どう変えられるのか、が分かれば、きっと商売が出来る。人情の機微を掴めれば、商機は生まれるのです。