第四十話
 どうも日本人は「ハクライ(舶来)」、すなわち直輸入品にメッポウ弱い。なにも今に始まったことではなく、昔の昔の、そのまた昔から。

元町が「ハイカラ」なのは、「ハクライ」を売っていたから?
今月の商鑑イラスト 「自給自足」という言葉は言葉として理解はできても実感とは程遠いのが私たちでしょう。第二次世界大戦を経験された世代の方であれば多少想像できるかもしれませんが。今の私たちは、家庭菜園とか日曜大工とかが趣味であっても、生きていくうえで必要不可欠な「衣食住」を、「自足」するにたるだけ「自給」できる方は皆無でしょう。今、私たちの「衣食住」はほとんどすべて「流通」によってもたらされています。それでも、ある時期までは、その大半は日本国内から「流通」されました。しかし、今や、私たち日本人の「衣食住」の国内自給率!は一体、どの程度なのでしょうか。知れば、きっと驚く数字でしょう。
 今ほど極端ではなくても遥か以前から日本は海外と交易を続けてきました。有史以前であっても中国の史料に日本と中国との間の人的、物的交流が記されています。航海技術が未発達な時代から荒波を乗り越えて海外交易が続けられたのは、海外からもたらされる貴重な文物が日本人に文化の豊かさを伝え続けたからです。船舶に舶載されて来る品、すなわち舶来品は何時の時代にあっても日本人に遠い異国への憧れをかきたてたのです。