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「三久録」は、庵主、三木久雄の備忘録です。日々の暮らしのなかで感じたこと、考えたことを取り留めもなく書き綴りました。タイトルの「三久録」は「三・六・九」のモジリです。 | |
2025年5月10日 |
亀の甲より年の功 |
「趣味は何ですか」と聞かれたら、間髪を入れず、とは言わないまでも、「レコードを聴くことかな」と答えるでしょう。「音楽です」と言って言えなくはないのですが、結婚して子供が生まれるまでは、コンサートも聴きに行っていたのが、子供が生まれてからは私一人でコンサートに行くのは気が引けて滅多に行かなくなりました。大学に入学後、交響楽団に入ってチェロを弾き始めてから、ずっとチェロを弾き続けているのですが、「趣味です」とは言えない。チェロを弾くのは私にとって難行苦行で、「趣味」という言葉が醸(かも)し出す優雅で楽しいという雰囲気はまるでない。そういう意味で「レコードを聴く」ことは、まさしく「趣味中の趣味」なのです。 高校に入学したお祝いに母親がステレオ電蓄を買ってくれて、それから「レコードを聴く」ようになって60年、ずっとレコードを聴き続けてきました。大学に入学したお祝いに頂いたお金でオーディオコンポーネントを組んで57年、ずっとオーディオシステムでレコードを聴き続けてきました。レコードから良い音を聴きたいという一心で、オーディオいじりを続けてきましたが、試行錯誤を繰り返し、日進月歩どころか一歩前進二歩後退のような遅々とした歩みですが、少しずつ良い音が鳴らせるようになり、今や、過去最高の音が鳴っていると自負(自己満足)しています。 ここまでレコードから良い音が鳴らせるようになったのは何年も何年もオーディオいじりを続けてきた結果で、その間、蓄積された経験値の成せる技なのです。今や後期高齢者になって体力減退、知能低下、健康不安を日々感じていますが、この歳になって初めて出来ることがある。「亀の甲より年の功」。 |
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